株式会社AilaB の山口央士朗(おうじろう)です。
サブスクリプションサービスの開発では決済システムの導入が必須です。
本記事ではサブスクリプションサービスで使われる決済サービスを比較します。
目次
- 比較対象サービス
- PayPal
- Stripe
- RevenueCat
- 比較要素
- 導入コスト
- 対応クレジット
- 料金
- 調査レポート
- まとめ
比較対象サービス
現在、PayPayやLine Pay、Stores 決済をはじめ、決済代行サービスは多々ありますが、「サブスクリプションサービスで使える」決済代行サービスは限られています。今回は下記3つのサービスに絞って比較を行うことになりました。
- PayPal
- Stripe
- RevenueCat
比較要素
今回は下記の3点を中心に比較検討しました
導入コスト
導入するのに時間をかけたくないため、できるだけ簡単に決済をできるサービスが望ましいです。
対応クレジット
ユーザーが手間取ってサービスから離脱してしまうことを防ぐため「Mastercard」「JCB」「VISA」「American Express」の基本クレジットには対応してもらいたいです。
料金
かけられるコストが限られているため、できるだけ安く利用できることが重要となっています。
調査レポート
PayPal
PayPalは2400万以上の店舗で使用されている国際決済サービスです。
お支払い情報はPayPalが保護しているため、登録ユーザーは個別で作成したPayPalアカウントからクレジットカード情報を都度入力することなく、決済を行うことができます。
PayPal
導入コスト
ビジネスアカウントの登録方法は公式サイトで記載されています。また、「API決済」「メールでの決済」など様々な決済方法に対応しています。
また、実際に決済サービスを利用するにはアカウントの登録以外にはFATCAの申請と本人確認手続きが必要です。「収益や資産などの事業情報」「実質的支配者(10%を超える株式、議決権、またはお客さまの事業のその他の利益を所有または管理する個人または法人)についての情報」を入力する必要があります。
※ FATCAの申請内容は一度回答を行うと修正することができませんので注意してください。
対応クレジット
PayPalではアカウントにクレジットカードを追加して、支払いに使用できます。PayPalアカウントでは「Visa」「Mastercard」「JCB」「American Express」を利用することができます。
PayPalアカウントを持ってないユーザにも決済対応させる場合、月額3000円でクレジットカード決済することができます。この場合の決済では「Mastercard」「VISA」「JCB」に対応しています。
PayPalアカウントを利用したクレジットカード決済
PayPalアカウントを利用しないクレジットカード決済
料金
PayPalでは支払い1件あたりの手数料が発生します。手数料は月間のPayPalによる売上高によって変更します。
決済手数料の詳細は下記リンクに分かりやすく記載されてあります。
手数料
Stripe
Stripeはインターネットビジネスのための決済サービスで、「デベロッパー・ファーストで開発で利用しやすい」「定期支払いサービスやクラウドファンディングのプラットフォームなど様々なサービスに対応できる」といった特徴がありますが、メール決済には対応していません。
毎年何兆円にのぼる決済処理を取り扱っており、PayPalと並び、代表的な決済サービスと言えるでしょう。
導入コスト
Stripeの登録ですが、登録画面から「メールアドレス」「氏名」「パスワード」を入力するだけで簡単に完了します。
ただし、実際に利用するには本番環境利用の申請が必要です。この申請には「事業情報」「事業詳細」「申請者の詳細」「改正割販法に関する質問」「クレジットカードの明細書表記」「銀行口座情報」「2段階認証を行うための情報」を入力する必要があります。
対応クレジット
Stripeの対応クレジットは料金体系の「PAYMENTS」の部分に記載されています。「VISA」「mastercard」「AMEX」「JCB」などの基本的なカードに対応しており、さらに「Apple Pay」「Google Pay」でも決済することができます。
料金体系
料金
Stripeでは通常、支払い1件あたり決済手数料の3.6%の手数料が発生します。さらにStripeのデータを検索する「SIGMA」など追加サービスを利用すると追加の料金が発生します。詳しくは手数料のページに記載されています。
手数料
RevenueCat
RevenueCatはiOSやAndroid、Webで利用できる課金プラットフォームです。
PayPalやStripeと異なり、月$10000まで無料であること、月額プランであることが大きな違いです。公式サイトに日本語版がないことがネックです。
RevenueCat
導入コスト
導入方法についてはDocumentationで詳細に記載されています。しかし、日本語ではなく、「どのような決済に対応しているのか」「どの開発環境に対応しているのか」PayPal、Stripeに比べてわかりにくいのが正直なところです。
対応クレジット
直接、クレジットで決済することはできず「Apple Pay」「Google Pay」「Stripe」を経由して決済することができます。
料金体系
料金
RevenueCatには「Build」「Analyze」「Grow」「Enterprise」があり、Buildプランの場合、手数料は月$10000の売り上げに到達するまで無料です。その他プランの料金についてはリンクの料金表に明確に記載されています。
手数料
まとめ
以上の調査結果をまとめると以下のようになります。
PayPal | Stripe | RevenueCat | |
導入コスト | ◎ | ◎ | △ |
対応クレジット | 〇 | ◎ | △ |
価格帯 | △ | 〇 | ◎ |
本調査を行うにあたって、様々な利用例を調べましたがPayPalとStripe、両方を導入することを推奨している記事もありました。
登録するだけは無料ですので、結局どれを選べばよいかわからない場合は複数の決済手段をサービスに導入してみるのも良いのかもしれません。